医療×介護 アンビスホールディングス【7071】高齢化社会ニーズを捉える

個別株分析

はじめに

日本を、
新しい医療・介護の力で元気に、幸せに

新しい医療・介護モデルの提案と実践により、日本の医療課題を解決したい

アンビスはこの理念に則り、『医心館』という在宅介護と医療を組み合わせた新しい在宅療養の形を提供しています。

高齢化社会問題の解決の糸口として、将来性が高い事業であると感じたのでここで分析し紹介していきます。

事業内容

事業の概要

まず簡単な事業内容について確認をしていきます。

事業内容は医療ケアが必要な方に向けた在宅型有料老人ホーム『医心館』の運営です。

この事業のコンセプトは「医療が必要な介護」という差し迫った社会的ニーズに応えることです。

病院での治療終了後も、末期がん患者や人工呼吸器が必要な患者などは通常の老人ホームへの入居や、自宅での生活は困難です。

そこで、医療ケアを提供できる在宅型有料老人ホーム『医心館』を開設し、入居者に看護、介護サービスを提供しています

参照:アンビスホールディングス ホームページ

医心館の主なサービスと収益構造

①居住サービス
施設の居住スペースを提供し、家賃、食費、水道光熱費・管理費等から収入を得る
低コストに抑えることで、利用者の入居を促進。

②訪問介護サービス
介護者が要介護者の自宅を訪問し家事や生活等に関する手助けを行う。

③訪問看護サービス
看護師が訪問看護サービスを提供。
リハビリ、点滴の実施、人工呼吸器の管理、など多岐に渡り医療ケアを行う。

主にこの3つを柱としたビジネスモデルであり、特に医療、介護サービスによる保険収入が収益の9割を占めています

個人ではなく、保険組合から医療保険報酬および介護保険報酬の両方から収益を得ることで安定した事業を展開しています。

看護師、介護士が常駐しているため、看護訪問、介護訪問の時間ロスなども減り効率的に利益を上げられる環境です。

一方収益の9割が保険収入であるため、診療報酬の改定によっては収益悪化の可能性あり。

健康保険制度及び介護保険制度は、2年毎及び3年毎に制度全般の見直しや報酬の再設定が行われ、特に6年毎の同時改定のタイミングにおいて社会保障制度及び医療介護福祉政策の方向性が示されるのでそこはチェックしておきたいですね。

事業の将来性

団塊の世代が75歳になるという2025年問題に向けて医療の再編が進行しています。
国が挙げた資料から、「高齢化の進展」や「地域医療構想による病床の機能分化・連携」に伴い介護施設や在宅医療等のサービスの需要が増加すると考えられています。

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参照:医療計画及び介護保険事業(支援)計画の 整合的な策定について

また、2025年までに35.4万床ある慢性期病床は、その約2割を縮減して28.4万床とし、縮減の行き先を介護施設や在宅医療等の利用で補うとされております(参照:平成29年第5回経済財政諮問会議資料、2017年4月12日)

つまり7万人分の慢性期病床の役割を介護施設や在宅医療で賄う必要があるわけです。

現段階(2020.9末)での医心館の定員数は966人であり、約70倍の市場需要が今後生まれることは将来性の面で十分だと考えています

参照:アンビスホールディングス 2020.9月期上半期決算資料

不安要素としては、参入障壁が低いことです。

事業モデルそのものには特許等が存在しないため、競合が現れると事業に影響を与える可能性があります。

まとめ

医心館=医療ケア可能な在宅療養施設
☆好材料
・病床削減、在宅療養は国策テーマ
・現在の事業規模の70倍の市場需要
☆不安材料
・新規参入障壁は低め
・医療・介護報酬の改定の影響大

決算書の分析

直近決算の分析

本銘柄は2019.10上場銘柄であるため四半期毎の分析が出来ません。
今回は2019.3Q及び2018.3Qまでの累積業績で比較していきます。

18.Q3 19.Q3
売上高 3710 6446
売上増加率 174
EPS 20.6 38
EPS増加率 184
PSR 8.4
営業利益 600 1291
経常利益 575 1211

今期までの業績は売上高1.74倍、EPS1.84倍と絶好調ですね!

もう少し詳しく見ていきます。

実は第3Qは営業利益が第2Q比で-41%(506→297百万)となっています。

人件費の増加が著しいですね・・・

有価証券報告書には、「新型コロナウイルス感染症に対して・・・略・・・平常時よりも多くの従業員を採用するとともに、サージカルマスクやフェイスシールド、アルコール消毒液などの衛生材料の十分な確保に努めております。」との記載がありました。

第3Q決算は4-6月の決算であるため、コロナ対策を厳しく行った結果だと思われます。

業績面での影響は良くないですが、しっかりと対策している点は好感が持てます。

今後、人員配置の最適化を行うとも書かれており通期の業績には影響は少ないと発表されていますが、次の本決算では通期予想を僅かに下回る可能性もあります。

しかし、未達成の原因がコロナのみであり株価が下がった場合、長期的には買い場と捉えてかまわないと思います。

来年の業績予想

今後の施設開設予定も見ていきましょう。

2020年9月末時点において、29施設1,270床を運営。

2021年9月末時点において、医心館は40施設1,883床を予定。

との報告がありました。

ここからが面白いのですが下の表とグラフを見て下さい!

2016.9 2017.9 2018.9 2019.9 2020.9 2021.9(予想)
売上高 160 749 1862 5369 8386 12434
定員数 242 365 520 841 1270 1883
売上高/定員数 0.7 2.1 3.6 6.4 6.6

このグラフは売上高を定員数で割った数値、つまり定員一人当たりの売上高を示したものになります。

灰色の折れ線グラフが右肩上がりですね!

これはつまり、定員一人当たりの収益が年を経る毎に改善されているというデータになります!!

理由として考えられるのは施設の稼働率が年を経る毎に改善されていることです

新規施設は初めは稼働率が低い傾向にあるので、今後も新規施設の稼働率が上がるにつれ、定員数当たりの売上は伸びると思われます。

表の2021.9予想は、定員一人当たりの売上660万円×定員数1883人から私が個人的に算出しています。

しかし、定員一人当たりの売上は毎年改善されているので、予想は最低値と私は捉えています。

それでも48%の売上高増加が見込めることからかなり将来性は高いですね。

コロナが収束すればその分の減益も回収出来るようになるのでそれもプラスです。

財務3表の解析

賃貸対照表

まずは賃借対照表を見ていきます。

左が資産、右が純資産と負債であり資産=純資産+負債となります。

まず左の資産について、固定資産が62.4%です。これは住居施設及びリース資産などが大半を占めています。リース資産は恐らく医療機器のリースで有り、初期投資がかなり必要な事業である事が分かります。

流動資産は37.6%(48億)であり資産の約60%(29億円)は現金です。

次に右のグラフですが、現時点で自己資本比率は15.3%→35.7%(19/9末→20/9末)と大幅に改善しています。これは公募増資により資金調達を行った為です。

これ資産十分だと思いますか?

現在の成長率が維持されると仮定すると、来年9月末までに予想される純利益は約18億円(来期の利益余剰金)です。

今後自己資本比率を30%で維持することを考えると残り70%の42億までは借金を含めて投資に回せるでしょう。

決算書を見ると一施設の開設につき平均約5億円の投資が必要です。

一方、2021年9月末までに残り11施設を建設予定です。前払い及び建設済み施設の未返済を含めると残り9施設45億円が必要になります。

現段階ではぎりぎり自己資本比率30%を維持できるかな?というラインです。

しかし、新施設の計画は5月までのものしか提示されておらず、来年の6-9月に新設の予定が立つ恐れがあります。(出店ペースを見ると可能性は高い)

そうなると資金が足りず、自己資本比率30%を切っても借入するなら良いのですが、もし公募による増資が来たら株価下落リスクになると思います。

実際今年は公募による資金調達が行われているため、可能性は低くは無いと感じています。

損益計算書

営業利益率が20%とかなり高いですね。
このことから利益を生み出せるビジネスモデルであることは間違いないでしょう。

キャッシュ・フロー計算書

こちらは2020年のQ2の決算から計算したモノです。
営業C/Fは+なので本業による利益が出ていることが分かります。
投資C/Fは-なので事業拡大に向けた投資を行っていることが分かります。
財務C/F+ですが、これは借入金の増加では無く、新株発行による30億円の資金調達によるものです

このことから、今は全力で事業拡大を目指しており投資フェーズである事が分かります。

株価の分析

現在の株価(10/27):3060円

PER:68.7倍

当期EPS:16.4

PSR:8.2倍

上記は日足のチャートになります。

コロナの影響は小さかったのですが、2月の高値からじわじわ株価を落とした後、反発始めている感じですね。IPO銘柄なので初めの評価が高すぎたということもあるでしょう。

では株価を分解して考えて行きましょう。

株価 = PER(株価収益率)×EPS(一株当たり純利益) 

一般的なPERの数値は15倍程度といわれていますので、EPSが約4.5倍になればPERは15倍の適正水準であると考えられますね。

先ほど予想した売上高の増加率と同程度にEPSも増加すると考えるとEPS増加率は48%と予想されるので、約4年間同じ水準でEPSが増加すればPERが適正値になると言えます。

2025年まで市場が拡大することを考えると割高には感じません。

数年間長期保有しておきたい銘柄だなと個人的には感じました。

配当

この会社配当も出しています。

現段階での配当は年間6円、配当利回りは0.2%、配当性向は20%となっています。

このまま利益がYtoYで50%伸びれば四年後には年間30円、利回りは1%です。

配当はおまけ程度ですが将来的に見ればある程度の配当は見込めそうです。

まとめ

まとめ

・医療ケア可能な居住介護施設の運営
・売上高1.74倍、EPS1.84倍の高成長
・地域医療構想という国策テーマに合致
・2025年には現事業規模の70倍の市場あり
・参入障壁は低く、ライバル出現リスク
・医療報酬の改定による収益悪化のリスク
・事業の急発展(初期投資大)により投資資金が不足気味(公募があるかも?)
・今後の成長性を考えると現在の株価は適正水準

個人的に高齢化社会×医療というのは国策テーマでも有り、成長性が高いと思います。
資金の一部をこういった高齢化社会テーマに置いておくのは有りだと自分は思います。

この記事が皆さんのお役に立てたなら幸いです!

次の記事も宜しければご覧下さい!では!!

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